ゲーデルは何を証明したか―数学から超数学へ



ゲーデルは何を証明したか―数学から超数学へ
ゲーデルは何を証明したか―数学から超数学へ

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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ゲーデルの不完全性定理への最短ルート

集合論の素人にも、ゲーデルの不完全性定理が理解できるように書かれている本。
評判どおり、非常にわかりやすい。

無論、証明自体は厳密なものではないのだが、ゲーデルの証明のアウトラインはきちんとわかるようになっている。
論理記号の意味にまできちんと解説がついているぐらいだ。
これまでのゲーデル本は、1.わかるけどゲーデルの言ったこととは違う、2.わかる人にしかわからない、が多かったが、この本は初心者に分かり、かつゲーデルの論の核心を捉えている本だといえよう。

本書は基本的にわき道がない。
論理の完全性定理と、算術の不完全性定理のみが扱われており、ゲーデルの生涯とかは載っていない。
不完全性定理を知りたい人が、最短ルートで知ることができるようになっている。


さて、ゲーデルの不完全性定理には誤解も多い。
ナーゲルの、「それ(ゲーデルの分析)は、算術の無矛盾性に関する超数学的証明を一切排除するものではないのです。ゲーデルの結論が排除するのは、算術の公式的演繹によって写像できるような種類の、無矛盾性の証明なのです」(p129)という主張はきちんと聞いておくべきでしょう。

実際、「算術の無矛盾性の超数学的証明は、ヒルベルト学派のひとりであるゲルハルト・ゲンツェンによって1936年に、そして、それ以後なん人かの手によって、実際に遂行されてきたのです」(p129)から。

ですので、「ゲーデルの証明を絶望への誘い、あるいは神秘主義の擁護と受け取ってはなりません。形式的に証明できない算術的真理が存在するという発見は、永久に知ることのできない真理の存在とか、あるいは筋の通った証明を(中略)”神秘的"な直感で置き換えねばならぬとかいったことを意味しません。また、(中略)”人間の理性に説明不可能な限界"があることを意味するものでもありません。さらにまた、人間の才知の完全な形式化が不可能であること、そして証明の新しい原理が、いつまでも発明あるいは発見されずにいるという意味でもありません。(中略)超数学的議論によって確立された、形式的に証明不可能なこれらの真理が、直感に訴える以外にたしかな基礎を持たないと主張するのは無責任というものです。」(p134)


ゲーデルの不完全性定理を正しく、初心者でも理解するために、本書は非常によい本だといえるだろう。
不完全性定理といえばこれ

いわゆる"ゲーデル本"
不完全性定理について素人にもわかりやすく解説している本はほかにもありますが、それはどれも分かっている人が読んで分かる本。
これは、(全くの背景なしでいいとは言えませんが)初めて不完全性定理に触れる人でも容易に理解できると思いますし、不完全性定理のエッセンスも良く伝わってきます。
無矛盾とは何か、なぜ数学は無矛盾でなければならないのか。数学と超数学と写像。リシャールのパラドックスとゲーデルの証明の仕方。この本を読むとだまされた感じでなんとなく分かるのではなく、不完全性定理とはどのようなものかよく理解できると思います。
やはり名著です。
不完全性定理を解説した古典的名著

アメリカでゲーデルの不完全性定理をはやらせた古典的名著です。
難しい論理学や数学の話は最低限にして(知っている人には参考になるように若干書いてありますが、初めに読むときは無視していいでしょう)、ゲーデルの不完全性定理とは何かをやさしく解説しています。

基本的に不完全性定理を19世紀後半の数学の流れに位置づけて、不完全性定理は非ユークリッド幾何学とともに出てくる無矛盾性の問題に対するアプローチ、と見ています(そのため、第二不完全性定理に重点が置かれます)。

全般的に以上の点、つまり幾何学における無矛盾性証明の流れとゲーデルの証明の要点を解説することに徹していて、不完全性定理がどんな帰結を持つのか(これについては結論部で少し触れられますが)、他の分野の成果とどのように関連するのか、ゲーデルはどんな人なのか、という点にはまったく触れられていません。

今から見れば計算論的視点や伝記も欲しいところなので、星4つです。
ゲーデルの定理への入門に最適

訳者あとがきにも詳しく書かれていることですが、この本は、ゲーデルの行ったことが数学、ひいては演繹的公理系全体の歴史に於いてどの様な意味を持つものであるかを、専門的な細部には立ち入らず、きちんと論旨を追って行けば「高校生にも分かる」様に描き出してみせてくれます。昔はこの本からゲーデルのことについて知ったと云う方が多かったそうですが、今でも最高の入門書であると云っても全く差し支えないと思います。



白揚社
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